略奪愛は、既にある関係から相手を奪い、自分のものにする設定を指す。
このジャンルを理解する鍵は一つで、奪う側が主人公であるという点にある。
他の呼び名との違い
同じ出来事でも、誰が主人公かで呼び名が変わる。
| 主人公 | 呼ばれ方 | 話の方向 | 読後感 |
|---|---|---|---|
| 奪う側 | 略奪愛・寝取り | 前に進む | 明るい |
| 失う側 | NTR | 落ちていく | 重い |
| 奪われる側 | 不倫もの | 揺れる | 中くらい |
| 選ぶ側 | 三角関係 | 迷う | 中くらい |
奪う側の話は前に進む。計画があり、実行があり、達成がある。だから読んでいて停滞しない。
失う側の話は逆で、状況が悪化していく。同じ出来事を描いていても、読んでいるときの感覚がまったく違う。
略奪愛と寝取りの違い
近いが、微妙に使い分けられている。
寝取りは、奪う行為そのものに焦点がある。関係を持つことが目的で、その後の生活は描かれないことが多い。
略奪愛は、関係を継続することが目的だ。奪ったあとに何が残るかまで描かれる。恋愛ものとして着地する作品が多い。
つまり、略奪愛のほうが恋愛寄りだ。タグの選ばれ方にもそれが出る。
奪う理由
作品の説得力を決めるのがここだ。
- 元の関係が既に壊れていた — 一番多い。奪う側の負担が軽い
- 元の相手が相応しくない — 相手が不誠実だった型。ざまぁと接続する
- どうしても惹かれた — 理由が感情のみ。人物の描写が要る
- 理由なく — 説得力が落ちる
上二つが多数派だ。奪うことを正当化する材料が用意されていると、読者が主人公の側に立てる。
理由が用意されていない作品は、主人公が単に自分勝手に見えてしまう。ここは背徳全般で「越える理由があるか」が効くのと同じ構造だ。
元の相手の描かれ方
後味を大きく左右する。
| 元の相手 | 後味 |
|---|---|
| 不誠実に描かれる | 軽い。奪われて当然と読める |
| ほとんど描かれない | 軽い。存在感がないため |
| 丁寧に描かれる | 重い。NTR寄りの読み心地になる |
三つ目に注意が要る。元の相手が魅力的に描かれていると、奪う話であっても失う側の痛みが伝わってしまう。
これを狙って書いている作品もあるので、後味を重視するならレビューで確認しておくといい。読み方は星の数より、レビュー件数を先に見るにまとめた。
相性のいい設定
執着との組み合わせが定番だ。長く思い続けていた相手を最終的に手に入れる、という構図は略奪愛の一番強い型になる。
よくある質問
略奪愛とNTRは同じですか
構図は同じで、視点が違う。奪う側から描けば略奪愛、失う側から描けばNTRになる。同じ作品でも紹介文の一人称で判別できる。
主人公は必ず成功しますか
ほとんどの作品で成功する。失敗する型はBSSに近くなり、そちらのタグが付く。
女性が奪う側の作品はありますか
ある。TLやレディースコミックでは、むしろ女性が主人公の作品のほうが多い。
元の相手が可哀想で読めません
元の相手が不誠実に描かれる型を選ぶといい。ざまぁのタグが併記されていれば、その可能性が高い。
純愛として読めますか
読める。奪ったあとに関係が続く型は、恋愛ものとして着地する。ただし純愛タグは三角関係を含まない作品に付くことが多いので、そちらでは見つからない。
BLにもありますか
ある。構造は同じで、既にある関係から奪う型として使われる。執着攻めと組み合わされることが多い。