ハーレムは、一人の人物に複数の相手が向かう構図を指す。主人公の性別と棚によって呼び分けられている。
| 呼び方 | 主人公 | 置かれる棚 |
|---|---|---|
| ハーレム | 男性 | 男性向け |
| 逆ハーレム | 女性 | 女性向け |
| 総受け | 男性 | BL |
三つとも構図は同じだ。棚が違うだけで、読みどころは共通している。
読みどころは「選ばれる側」
この構図の核は、主人公が動かないことにある。
動くのは周囲だ。だから読者は主人公の位置に立って、向けられる好意を受け取る側になる。
これが、選ぶ側の視点で書かれた恋愛ものとの決定的な違いだ。三角関係は主人公が迷い、選び、責任を負う。ハーレムは選ばなくていい。
その気楽さがこのジャンルの効能で、そこを物足りないと感じる読者とは相性が悪い。
決着の型
| 型 | どうなるか | 数 |
|---|---|---|
| 誰も選ばない | 関係が並行したまま続く | 一番多い |
| 一人を選ぶ | 恋愛ものとして着地する | 少ない |
| 相手ごとに分かれる | 章や巻で相手が変わる | 多い |
| 全員と | 関係が同時に成立する設定 | 中くらい |
三つ目が構造として一番安定している。相手ごとに1話ずつ、という作り方ができるので、シリーズものになりやすい。
二つ目は好みが割れる。選ばれなかった相手が報われないので、そこが気になる読者にはつらい。三角関係で当て馬の扱いが問題になるのと同じ構造だ。
相手の描き分けが出来を決める
このジャンルの出来は、ほぼこの一点で決まる。
全員が同じ性格だと、複数いる意味がなくなる。だからたいてい型で分けられていて、攻めの属性の分類がそのまま当てはまる。
- まっすぐな相手(ワンコ型)
- 強引な相手(俺様型)
- 離さない相手(執着型)
- 主導しない相手(受け身型)
紹介文に相手の紹介が並んでいることが多いので、そこを読めば好みの人物がいるか分かる。一人でも刺さる型がいれば、その作品は当たりと考えていい。
人数
3人から5人が多い。
人数が増えるほど一人あたりの描写は薄くなる。密度を求めるなら少ないほうがいい。逆に、いろいろな型を一度に読みたいなら多いほうが向く。
シリーズになりやすい
相手が複数いるということは、話の単位が最初から分かれているということだ。
だから連載しやすく、巻数も伸びやすい。買うときはシリーズが完結しているかを見ておくと、途中で止まった作品を掴みにくい。追い方は長いシリーズの追い方にまとめた。
よくある質問
逆ハーレムと総受けは同じですか
構図は同じだ。逆ハーレムは男女の組み合わせ、総受けはBLで使われる。棚が分かれているので、探すときは切り替えることになる。
誰か一人を選ぶ作品を探しています
紹介文に「決着」「選ぶ」といった語があるものを探すといい。多くの作品は選ばないまま終わるので、そこは明記されることが多い。
相手の人数はどのくらいが多いですか
3人から5人が多い。人数が増えるほど一人あたりの描写は薄くなるので、密度を求めるなら少ないほうがいい。
主人公に魅力がないと感じます
選ばれる側なので、能動的な描写が少ないのは構造上そうなる。主人公に動いてほしいなら三角関係や普通の恋愛ものが向く。
異世界ものに多いのはなぜですか
異世界では立場の差を極端にできるので、複数の相手を配置しやすい。能力による優位も設定できる。
短編でも成立しますか
しにくい。相手を描き分ける紙幅が要るので、長編か連載向きの構図だ。