背徳は、してはいけないことをしている状態を示すタグだ。
単独のジャンルではなく、状態を示す修飾として使われる。だから「背徳もの」と言っても中身は決まらない。何が禁止を作っているかを見る必要がある。
禁止を作っているもの
| 禁止の出どころ | 対応するジャンル |
|---|---|
| 既にある関係 | 不倫もの、NTR |
| 立場・職業 | 職業もの、社内恋愛 |
| 場所 | 露出もの |
| 種族・身分 | 人外、エルフ、魔王・勇者 |
| 世間体 | 年の差 |
どれも「越えてはいけない線がある」という構造は同じだ。線の種類が違うだけで、読み心地の骨格は共通している。
だから、あるジャンルの背徳感が好きなら、別のジャンルの背徳感も刺さる可能性が高い。探し方としては、この横断が効く。
なぜ効くのか
理由ははっきりしている。障害がないと関係が動かないからだ。
普通の恋愛ものでは、障害を作るのに手間がかかる。すれ違い、誤解、第三者。どれも説明が要る。
背徳は、最初から障害が用意されている。越えてはいけない線があり、それでも越える。この一点だけで話が動く。
しかも障害が消えない。すれ違いは解ければ終わるが、立場や既存の関係は簡単には消えない。緊張感が持続する。
罪悪感を描くか
作品の性質を分けるのがここだ。
描く型。当人が悔いたり、迷ったりする。人物に厚みが出るが、読んでいて重い。
描かない型。罪悪感より高揚が前面に出る。読後感が軽く、状況を楽しむ作りになる。
| 罪悪感を描く | 描かない | |
|---|---|---|
| 人物の厚み | 出る | 薄い |
| 読後感 | 重い | 軽い |
| 話の長さ | 長編向き | 短編向き |
| 隣接するもの | メリバ | 状況もの |
紹介文にモノローグが引用されていれば、前者であることが多い。内面を書く作品は、そこを売りにするからだ。
強すぎると離れる
背徳感は強いほど効くが、限度がある。
線を越えることに読者が納得できなくなると、人物への共感が切れる。そうなると緊張感は残っても、話に乗れなくなる。
良い作品には、越える理由が用意されている。
- 元の関係が既に壊れていた
- 相手にどうしても惹かれる理由がある
- 追い詰められていた
理由がないまま線を越える作品は、その瞬間だけ刺激的で、後に残らない。ここは立場逆転もので「逆転に理由があるか」が効くのとまったく同じ構造だ。
苦手な場合
背徳タグ自体は幅が広いので、これだけで避けると候補を減らしすぎる。
併記されているタグを見るほうが正確だ。不倫やNTRが併記されていれば関係の話、無理矢理が併記されていれば同意の話になる。
よくある質問
背徳ものというジャンルはありますか
タグとしては存在するが、状態を示すものなので中身は決まらない。何が禁止を作っているかを別のタグで確認する必要がある。
不倫ものと同じですか
不倫ものは背徳の一形態だ。背徳のほうが範囲が広く、立場や種族による禁止も含む。
罪悪感のない作品を探しています
短編か、状況を楽しむ型の作品が向く。紹介文にモノローグが引用されていない作品のほうが、その傾向がある。
背徳感が強い作品ほど面白いですか
限度がある。越える理由が用意されていない作品は、刺激だけで終わりやすい。理由の有無は試し読みでもある程度分かる。
どのジャンルの背徳感が一番強いですか
一概には言えないが、既にある関係を壊す型は失うものが具体的なので、緊張感は出やすい。種族や立場の禁止は、世界設定に依存する。