三角関係は、三人のあいだで関係が成立しない状態を描く設定だ。
このジャンルで混乱するのは、同じ状況が別の名前で呼ばれることにある。まずそこを整理する。
視点で呼び名が変わる
| 語り手 | 呼ばれ方 | 中心にある感情 | 読後感 |
|---|---|---|---|
| 選ぶ側 | 三角関係 | 迷いと決断 | 中くらい |
| 選ばれなかった側 | BSS | 切なさ | 重い |
| 奪われた側 | NTR | 喪失 | 重い |
| 奪う側 | 寝取り | 達成 | 軽い |
同じ出来事が四通りに書ける。だから紹介文の一人称を見るのが、このジャンルでは決定的に重要になる。
タグだけを見ていると、読み心地が正反対の作品を掴むことがある。
選ぶ側の視点
これが本来の三角関係だ。二人のあいだで迷い、最終的にどちらかを選ぶ。
読みどころは迷いそのものにある。だから作品の出来は、次の一点で決まる。
両方の相手が魅力的に描かれているか。
片方が明らかに当て馬だと、迷いが成立しない。読者から見て答えが最初から見えていれば、そこまでの過程はただの引き延ばしになる。
逆に、両方に読者がつく作品は強い。どちらが選ばれるかで感想が割れる作品は、それだけで成功していると言える。
ハーレム・逆ハーレムと近い位置にあるが、あちらは選ばないまま終わる作品が多い。三角関係は決着がつく。
決着の型
| 型 | どうなるか | 読後感 |
|---|---|---|
| 一方を選ぶ | 定番。選ばれなかった側の描写で印象が変わる | 作品による |
| どちらも選ばない | 関係が壊れる | 重い |
| 時間差で両方 | 連載作品に多い | 軽い |
| 三人のまま | ハーレム寄りになる | 軽い |
一つ目でも、選ばれなかった側が救われるかどうかで印象がまるで違う。そこに一場面割いている作品は後味がいい。何も描かれずに退場する作品は、読者に引っかかりが残る。
三人の関係の型
三角形の形にもいくつかある。
- 二人が一人を取り合う — 一番多い。選ぶ側が中心
- 一人が二人に惹かれる — 迷う側が中心。葛藤が主題
- 一方通行が連なる — AがBを、BがCを。誰も報われにくい
- 既に関係がある二人に第三者 — NTRの構図に近づく
四つ目は特に注意が要る。既存の関係が壊れる過程が描かれるので、NTRが苦手な人には合わない。タグに三角関係としか書かれていないこともある。
苦手な場合
NTRやBSSが苦手なら、三角関係のタグにも注意が要る。同じ構図を別の角度から描いているだけだからだ。
純愛タグで絞れば、三人目が出てくる作品はまず入っていない。これが一番早い。
一つずつ確認したいなら、あらすじの登場人物の数を見る。三人以上が名前つきで紹介されている作品は、この構図である可能性が高い。
よくある質問
三角関係とNTRは同じですか
構図は重なるが、視点が違う。選ぶ側から描けば三角関係、奪われる側から描けばNTRになる。同じ出来事でも読み心地は正反対だ。
当て馬が可哀想で読めません
選ばれなかった側にも結末が用意されている作品を選ぶといい。レビュー本文に言及があることが多く、「当て馬も救われる」といった記述が目印になる。
二人が同性の三角関係もありますか
ある。BLやGLでも同じ構図が使われる。三人とも同性の作品も、混合の作品もある。
決着がつかない作品を避けたいです
紹介文に「選ぶ」「決着」といった語があるものを探すといい。連載作品は決着が先送りになりやすいので、完結しているかも確認しておきたい。
選ばれなかった側の視点で読みたいです
BSSのタグで探すことになる。三角関係のタグでは、選ぶ側の視点の作品が中心になる。
短編でも成立しますか
する。ただし三人を描き分ける必要があるので、短編では一方が薄くなりやすい。厚みを求めるなら長編のほうがいい。