作品紹介には、相手役の性格を型で示す言葉がよく出てくる。誰と結ばれるかより、どういう性格の相手かで読み心地が決まるので、この呼び分けを知っておくと外れが減る。
BLで使われることが多いが、TLでもそのまま通じる。
三つの型
執着攻め — 相手を強く求め、離さない。独占欲が行動に出る。監視や束縛に近い描写が入ることもある。関係の濃さが読みどころになる。
ワンコ攻め — まっすぐで、隠さない。好意を素直に出し、相手を優先する。読後感が軽く、後味が悪くなりにくい。
俺様攻め — 主導権を握りたがる。態度は強引だが、内心では相手を気にかけている、という描かれ方が多い。強気と本音の落差が読みどころだ。
| 型 | 中心にあるもの | 重さ | 向いている気分 |
|---|---|---|---|
| ワンコ | 好意 | 軽い | 安心して読みたい |
| 俺様 | 主導権 | 中くらい | 駆け引きが読みたい |
| 執着 | 独占 | 重い | 逃げ場のない関係が読みたい |
執着とヤンデレの境目
執着攻めを探しているとヤンデレという言葉にも当たる。似ているが、目安がある。
執着は、相手を強く求めるところまで。行動は重くなるが、向いている先は相手だ。
ヤンデレは、そこから相手を害する、あるいは第三者に手を出す段階に入る。好意が原因で誰かが傷つく展開が含まれる。
つまり執着は関係の濃さの話で、ヤンデレは危険性の話だ。執着攻めは好きだが暴力的な展開は無理、という人は、この線で分けておくといい。
溺愛との重なり
ワンコ攻めと溺愛系は、かなり重なる。どちらも相手を大切にすることが中心にあるからだ。
違いを挙げるとすれば、ワンコは性格の話で、溺愛は関係の描かれ方の話だという点になる。ワンコ攻めが登場しても、話の主題が別にある作品はあるし、逆に淡々とした人物が溺愛する作品もある。
受け側にも型がある
攻め側ほど整理されていないが、受け側にも呼び分けがある。
- 強気受け — 押されても引かない。対等な関係になりやすい
- 健気受け — 我慢する側に回る。読者の同情を集める作り
- 年下受け・年上受け — 立場の差が関係の温度差になる
攻めと受けの組み合わせで印象は大きく変わる。執着攻め×強気受けと執着攻め×健気受けでは、同じ「執着」でもまったく別の話になる。
なお、どちらがどの位置にいるかの表記の読み方は総攻め・総受け・リバとはにまとめた。
選ぶときの目安
初めて読むなら、ワンコから。まっすぐな好意が中心になるので、後味が悪くなりにくい。ジャンルそのものが合うかどうかを確かめる用途に向いている。
駆け引きを読みたいなら俺様。態度と本音の差が話を動かすので、単調になりにくい。
関係の重さを読みたいなら執着。ただし、どこまで重いかは作品によって幅が大きい。試し読みで序盤の距離感を見ておくといい。見方は試し読みで見るべき3つのことに書いた。
よくある質問
紹介文に型が書かれていない作品はどう判断しますか
試し読みの範囲で、相手役が主人公にどう接しているかを見る。距離の詰め方が速ければ執着寄り、素直に好意を伝えていればワンコ寄り、命令口調が多ければ俺様寄りだ。序盤の数ページでだいたい出る。
執着攻めは苦手ですが、少しなら読めます
「重い」の程度は作品差が大きい。タグに執着とあっても、束縛が言葉だけの作品もあれば、行動に出る作品もある。レビュー本文に具体的な描写への言及が出ていることが多いので、そこで判断するといい。
型が途中で変わることはありますか
ある。冷たかった人物が後半で執着に変わる、という構成は定番だ。だから序盤の印象だけで決めきれない場合がある。紹介文に「後半」「豹変」といった語があれば、その可能性が高い。