どちらも「相手を他の人物に取られる」話だが、主人公が何を失うかが違う。
二つの違い
NTR(寝取られ)— すでに関係がある。恋人や配偶者がいて、その相手が他の人物に奪われる。持っていたものを失う話だ。
BSS(僕が先に好きだったのに)— まだ関係がない。好意を持っていた相手が、別の人物と結ばれる。手に入る前に終わる話だ。
| NTR | BSS | |
|---|---|---|
| 開始時点の関係 | 成立している | 成立していない |
| 失うもの | 実際にあった関係 | あったかもしれない可能性 |
| 主人公の立場 | 当事者 | 部外者に近い |
| つらさの種類 | 裏切られる | 選ばれない |
同じ「取られる」でも、裏切りの話と、届かなかった話という別物になる。
どちらが苦手かは分かれる
これが区別しておく実利だ。
NTRは駄目だがBSSは読める、という人はかなりいる。関係を築いた相手に裏切られる描写が耐えられないタイプだ。BSSには裏切りがないので、切なさとして受け取れる。
逆に、BSSのほうがきついという人もいる。選ばれなかったという感覚のほうが刺さるタイプだ。NTRは他人事として読めても、BSSは自分の記憶に触れてしまう。
どちらも駄目な人も、どちらも好きな人もいる。まとめて「寝取られ」と呼んでしまうと、この分岐が見えなくなる。
タグでは区別されないことがある
ストア側のジャンル分けでは、両方が同じ扱いになっていることがある。BSSという区分が用意されていない場合、BSS的な内容の作品にも寝取られ系のタグが付く。
だからタグだけでは判別しきれない。確実なのは次の2つだ。
- あらすじで、主人公と相手の関係が既に成立しているかを見る。「恋人」「妻」と書かれていればNTR寄り、「片思い」「気になっていた」ならBSS寄り
- レビュー本文を見る。この要素は読者が必ず言及する。件数の多い作品ほど確実に書かれている
レビューの読み方は星の数より、レビュー件数を先に見るにまとめた。
視点によっても変わる
もうひとつややこしいのが、誰の視点で描かれるかだ。
取られる側の視点で書かれた作品と、取る側の視点で書かれた作品では、同じ出来事でも読み心地がまるで違う。取る側の視点なら、それは奪う話であって失う話ではない。
紹介文が誰の一人称で書かれているかを見ると、だいたい判別できる。
避けたい場合
苦手なら、作品ページのジャンル表示で先に落としておくのが早い。
ただしタグが付いていない作品は判別できないので、タグで母数を減らして、レビューで最終確認するという併用が現実的だ。手順はハズレを引かない選び方にまとめてある。
同じように事前判別が難しい要素としてモブがある。踏んだときの被害が大きい要素ほど、タグに出ないことが多い。
よくある質問
NTRが好きな人は何を面白がっているんですか
失う過程そのものを読むジャンルとして成立している。関係が壊れていく描写の緊張感や、当事者の心理が細かく描かれる点が読みどころになる。ハッピーエンドを求めるジャンルではない、という前提が共有されている。
BSSは最終的に主人公が報われますか
作品による。報われないまま終わる作品も、別の相手と結ばれる作品もある。あらすじで最後まで示されないことが多いので、後味を重視するならレビューで確認しておくといい。
少しだけそういう展開が入る作品も避けたほうがいいですか
苦手の度合いによる。要素として少し入るだけの作品と、それが主題の作品では負荷がまるで違う。タグが付いている作品は主題であることが多いので、まずはタグの有無で分けるといい。