幼なじみものは、関係がすでにあるところから始まる型だ。
出会いを描く必要がないので、前置きが短い。1話目から関係の核心に入れるのが、この型の一番の特徴になる。
始まり方の型の中での位置
他の型と比べると、幼なじみものの特徴がはっきりする。
下地が最初からあるのはこの型だけだ。同居も契約結婚も、関係そのものはゼロから始まる。再会は下地があるが、間に空白がある。
つまり幼なじみものは、説明すべきことが最も少ない型になる。短編と相性がいいのはそのためだ。
なぜ今まで進まなかったのか
前提が整っているぶん、別の問いが必要になる。それが「これだけ近くにいて、なぜ何も起きなかったのか」だ。
この問いに答えられない作品は成立しない。だから必ず理由が用意されている。そして、その理由の選び方で作品の重さが決まる。
| 理由 | 話の重さ | 長さ |
|---|---|---|
| 気づいていなかった | 軽い。コメディになりやすい | 短編向き |
| 気づいていたが言えなかった | 中くらい | 中〜長編 |
| 関係が壊れるのが怖かった | 重い。葛藤が長い | 長編向き |
| 距離が近すぎて対象として見ていなかった | 中くらい | 中編向き |
三つ目が一番重い。失うものがある状態から動き出すので、不倫ものに近い緊張感が出ることさえある。
逆に一つ目は軽く、勢いで進む。どちらを読みたいかで選ぶ作品が変わるので、紹介文でここを確認しておくといい。
きっかけの型
止まっていた関係が動く理由も、型が決まっている。
| きっかけ | 話の性質 |
|---|---|
| 再会 | 空白の期間が変化を作る。再会ものと重なる |
| 第三者の登場 | 焦りが動機になる。三角関係に接続 |
| 環境の変化 | 進学、就職、同居など |
| 事故的な出来事 | もっとも早く動く。短編向き |
二つ目に注意が要る。第三者が出てくる型は、そのままBSSや三角関係に接続することがある。苦手ならタグの併記を見ておきたい。
勝つ型と負ける型
ここが読者の好みを分ける。
勝つ型は、幼なじみが選ばれる。安心して読める。数としてはこちらが多い。
負ける型は、別の相手が選ばれる。BSSと同じ構造で、切なさが主題になる。
判別の手がかりは二つある。
タグでは区別されないことが多いので、レビュー本文で確認するのが確実だ。この要素には必ず言及がある。読み方は星の数より、レビュー件数を先に見るにまとめた。
母数が大きすぎる問題
幼なじみは設定であってジャンルではないので、TLにもBLにも出てくる。
そのため「幼なじみ」だけで探すと母数が大きすぎる。もうひとつ条件を足して絞るのが早い。
- 相手の性格 — 執着攻め・ワンコ攻め・俺様攻め
- 長さ — 単話か単行本か
- 後味 — 純愛タグの有無
一つ目が一番効く。同じ幼なじみものでも、ワンコ型と執着型ではまったく別の話になる。
よくある質問
幼なじみが負ける作品を避けたいです
タグでは区別されないことが多い。レビュー本文に必ず言及があるので、そちらで確認するのが確実だ。純愛タグが付いていれば、三角関係を含む作品はまず除外される。
短編と長編、どちらが多いですか
前置きが要らない型なので短編と相性がいい。ただし葛藤を丁寧に描く長編も多く、どちらも揃っている。理由が重い型ほど長くなる。
再会ものとの違いは何ですか
再会ものは離れていた期間があることが前提になる。幼なじみものは、ずっと近くにいたままの作品も含む。両方のタグが付く作品も多い。
家族ぐるみの設定が多いのはなぜですか
近くにいる理由を説明しなくて済むためだ。親同士が知り合い、隣に住んでいる、といった設定は下地を作る手間を省く。
BLにもありますか
ある。構造は同じで、関係が既にあるところから始まる型として使われる。「言えなかった」理由がより重くなる作品が多い。
一番外れにくい型はどれですか
相手の性格で絞るのが確実だ。ワンコ型を選べば後味が軽く、純愛との併記があればさらに安全になる。