契約結婚・偽装恋人は、利害から始まった関係が本物になる型を指す。
理由はさまざまだ。家の事情、周囲への説明、仕事の都合、相続。共通しているのは、最初は二人とも本気ではないという前提だ。
なぜこれだけ書かれるのか
この型が定番になっているのには、構造的な理由が二つある。
一. 建前が口実になる
本当の恋人ではないのだから、と言いながら距離を縮められる。
同じ家に住み、手を繋ぎ、周囲に見せるための振る舞いをする。本気ではないという前提が、行動の制限を外している。
普通の恋愛ものなら関係が進むのに何話もかかる場面を、この型なら一気に飛ばせる。しかも不自然にならない。
二. 期限が締め切りになる
契約には期限がある。期限が来れば関係は終わる。
だから話に締め切りが生まれ、だらだらしない。読者も残りページ数と期限を重ねて読むことになる。
| 期限の型 | 効果 |
|---|---|
| 日付が決まっている | 緊張感が持続する。一番効く |
| 条件が満たされたら終了 | 条件の達成が山場になる |
| 期限が曖昧 | 緩くなりやすい |
期限がはっきりしている作品ほど締まる。紹介文に期間が書かれているかは、選ぶときの目安になる。
これは時間停止もので「制限があるか」が効くのと同じ構造だ。制約のない設定は、必ずどこかで緩む。
どこで本物になるか
この型の読みどころは、どちらが先に本気になるかだ。
| 型 | どうなるか | 読み心地 |
|---|---|---|
| 片方が先に | 気づかれないよう隠す | すれ違いが生まれる |
| 両方同時に | お互い言い出せない | もどかしい |
| 最初から片方は本気 | 契約自体が手段だった | 執着寄り |
三つ目は執着タイプと組み合わされることが多い。落とすための契約だった、という構図になる。明かされる場面が山場になるので、印象に残りやすい。
契約の中身
意外と作品差が出るのがここだ。
- 形式だけ — 同居して周囲に見せる。関係は進まない前提
- 条件つき — 一定の役割を果たす。それが接触を生む
- 本格的 — 書面がある。破棄の条件まで決まっている
三つ目ほど話が締まる。破棄の条件があるということは、破棄されうるということで、それが緊張感になる。
隣接する設定
同居ものとほぼ必ず同時に成立する。契約結婚なら一緒に住むからだ。
社内恋愛と組み合わされることもある。仕事の都合で恋人のふりをする、という設定だ。この場合は障害が二重になる。
同居ものとセットで探すと、好みの作品に当たりやすくなる。
結末
このジャンルは着地が安定している。
ほぼ本物になる。契約のまま終わる作品は少数派で、その場合はタグや紹介文で示されていることが多い。
だから後味を心配する必要は少ない。純愛タグとの併記も多く、安心して読める部類に入る。
よくある質問
契約結婚と偽装恋人は別のタグですか
分かれていることが多い。結婚まで進んでいるかどうかの違いで、構造は同じだ。両方を見ると候補が増える。
最後は必ず本物になりますか
ほぼそうなる。契約のまま終わる作品は少数派で、その場合はタグや紹介文で示されていることが多い。
BLにもありますか
ある。契約結婚は制度上の理由から偽装恋人や同居の形になることが多いが、構造は同じだ。
期限が来たらどうなりますか
延長される、解消されて本物の関係になる、あるいは期限そのものが忘れられる。三つ目は構成として緩いので、締まった作品を求めるなら避けたい。
短編でも成立しますか
する。ただし期限を使った緊張感は長編のほうが活きる。短編では建前が口実になる部分だけが使われることが多い。
同居ものとの違いは何ですか
同居ものは住むことが主題、契約結婚は契約という建前が主題になる。ほぼ同時に成立するので、両方のタグが付く作品が多い。