拘束と監禁は並べて語られるが、規模がまるで違う。ここを分けずに一括りにすると、選ぶときに必ず外す。
- 拘束 — その場面での行動の制限
- 監禁 — 生活そのものが閉じ込められている状態
一場面か、状況全体か。この差が、同意の有無にも読後感にも直結する。
何が変わるのか
| 拘束 | 監禁 | |
|---|---|---|
| 範囲 | 場面単位 | 話全体 |
| 期間 | 短い | 長い |
| 同意 | あることも多い | ないことが多い |
| 日常 | 保たれている | 断たれている |
| 読後感 | 軽い〜中 | 重い |
| 隣接するタグ | ドS・ドM、調教 | 無理矢理、洗脳 |
拘束は同意のうえで行われる作品が多い。関係の中の遊びとして描かれる場合、負荷は高くない。ドS・ドMのタグと併記されていれば、まずこの方向だ。
監禁は同意がない前提の作品が多い。そのぶん重く、メリバのような着地になりやすい。
監禁ものの三つの型
監禁ものは、なぜ閉じ込めるのかで型が分かれる。ここが読み心地を決める。
囲い込み型
執着の延長として閉じ込める。相手を誰にも渡したくない、という動機だ。
執着攻めの極端な形で、関係の濃さを読むジャンルとして成立している。閉じ込める側の内面が丁寧に描かれる作品ほど、読み応えが出る。
保護型
守るためという名目で閉じ込める。当人は本気でそう信じているのがこの型の特徴だ。
歪みが主題になるので、ヤンデレものと近い場所にある。読者だけが歪みに気づいている、という構図が使われることが多い。
入れ替わり型
途中で立場が逆転する。閉じ込めていた側が閉じ込められる、あるいは閉じ込められていた側が主導権を握る。
立場逆転ものの構造がそのまま入るので、落差で読ませる型になる。数は少ないが、当たると印象に残る。
| 型 | 動機 | 読みどころ |
|---|---|---|
| 囲い込み | 独占 | 関係の濃さ |
| 保護 | 善意(と本人は思っている) | 歪みの描写 |
| 入れ替わり | 変化する | 落差 |
解放されるかどうか
結末を決めるのがここだ。同じ監禁ものでも、着地で読後感が正反対になる。
- 解放される — 外に出る。関係が終わるか、対等になり直す
- 解放されないまま終わる — 当人は満たされている。メリバになる
- 出ることを選ばない — 自分の意思で残る。一番重い
二つ目が数として多い。紹介文には書かれないので、レビューで確認するしかない。読み方は星の数より、レビュー件数を先に見るにまとめた。
拘束の使われ方
拘束のほうは、単独のジャンルというより他の設定の中で使われる道具に近い。
併記されているタグを見れば、どの方向かはほぼ分かる。拘束というタグ単体では、内容の判断材料にならない。
苦手な場合
タグには出ることが多い。ただし要素として一場面だけ入る場合は省かれる。これは他の要素と同じ限界だ。
一番早いのは純愛タグで絞ることだ。含まないことの宣言として機能しているので、一つずつ避けるより効率がいい。
確実にしたいなら、レビュー本文まで見る。この要素は入っていれば必ず誰かが書く。手順はハズレを引かない選び方にまとめた。
選ぶときの手順
- 拘束か監禁かをタグで確認する — ここで負荷がほぼ決まる
- 併記タグを見る — ドS・ドMなら軽い方向、無理矢理・洗脳なら重い方向
- あらすじで動機を読む — 囲い込みか、保護か
- レビューで結末の方向を確認する — 解放されるかどうか
1と2だけでも、想定外の重さを踏む確率はかなり下がる。
よくある質問
拘束ものは必ず同意がありますか
そうとは限らない。ただし同意のうえで描かれる作品のほうが多い。無理矢理タグが併記されていれば、そちらの方向だ。
監禁でハッピーエンドになる作品はありますか
ある。関係が変化して解放される型がそれにあたる。ただし数は少なく、メリバ寄りの着地のほうが多い。タグに「ハッピーエンド」が併記されていれば、その可能性が高い。
BLにもありますか
ある。執着攻めと組み合わされることが多く、構造は同じだ。囲い込み型が中心になる。
監禁される側が主人公とは限りませんか
限らない。閉じ込める側の視点で描かれる作品もある。その場合は計画が進む話になり、読み心地がかなり変わる。紹介文の一人称で判別できる。
監禁の期間はどのくらいが多いですか
作品によるが、日常が断たれていることが分かる程度の長さが必要になるので、短くはならない。長編になりやすいジャンルだ。
拘束が苦手なら監禁も避けるべきですか
必ずしもそうではない。拘束が苦手な理由が「身体の自由がないこと」なら監禁も合わないが、「同意のない状況」が理由なら、同意のある拘束は読めることがある。