性癖は、いまでは性的な好みの傾向を指す言葉として使われている。
ただし、これは本来の意味ではない。
本来の意味
辞書的には、性格の偏り・癖を指す言葉だ。「性」は性格の性であって、性的なという意味ではなかった。
いまでもこの意味で使う文章はあるが、実際の使われ方としては後者が圧倒的だ。言葉の意味が動いた例として、しばしば取り上げられる。
言語化すると探しやすい
実用的な話をすると、自分の好みを言葉にできているかどうかで、作品を探す効率がまるで変わる。
「なんとなく好き」の状態では、タグで絞れない。言葉になっていれば、そのタグで一発で絞れる。
言語化の手がかりは、次の軸で考えると出やすい。
| 軸 | 例 |
|---|---|
| 関係の力学 | 執着、ワンコ、俺様 |
| 立場の差 | 年の差、先輩後輩 |
| 始まり方 | 契約、再会、幼なじみ |
| 相手の種類 | 人外、サキュバス |
| 展開 | ざまぁ、快楽堕ち |
| 結末 | 純愛、メリバ |
この六つのうち、どれが自分にとって一番大事か。それが決まると、探す順番が決まる。
一つに絞るのがコツ
やりがちな失敗が、全部の軸を同時に満たそうとすることだ。条件を重ねるほど候補は減り、最後には何も残らなくなる。
現実的な手順はこうなる。
- 六つのうち、一番外せない軸をひとつ選ぶ
- その軸のタグだけで絞る
- 残った中から、苦手なタグが付いているものを落とす
- 表紙と紹介文で三、四冊に絞る
二つ目の軸を足すのは、候補が多すぎて困ったときだけでいい。
苦手も同じくらい大事
好きなものより、苦手なもののほうが言葉にしやすい。
そして探す効率としては、苦手を先に外すほうが効く。候補が一気に減るからだ。考え方はハズレを引かない選び方にまとめた。
苦手が言葉になっていない場合は、途中で読むのをやめた作品を思い出すといい。やめた理由が、そのまま外すべきタグになっていることが多い。
変わっていく
もうひとつ言っておくと、好みは固定されない。
読んでいるうちに、以前は苦手だったものが平気になることも、その逆もある。いま合わないからといって、そのジャンルを一生外す必要はない。
同じジャンルでも作者によって描き方が違うので、一冊で判断すると外すのが早すぎることもある。
よくある質問
性癖と性的嗜好は違いますか
厳密には別の語だが、日常的にはほぼ同じ意味で使われている。作品を探すうえで区別する必要はない。
自分の好みが分かりません
過去に読んで「もう一度読みたい」と思った作品を思い出して、共通点を探すのが早い。上の六つの軸に当てはめてみると見つかりやすい。
タグが多すぎて選べません
軸をひとつだけ決めて、そこから探すといい。全部の条件を同時に満たそうとすると候補がなくなる。
好みが偏っているのが気になります
作品探しの観点では、偏っているほうが有利だ。絞り込む軸がはっきりしているぶん、探す時間が短くて済む。
元の意味で使うと通じませんか
文脈によっては通じにくい。性格の話をしているとはっきり分かる書き方にするか、別の語に置き換えたほうが誤解が少ない。
好みが変わったらどうすればいいですか
そのまま新しい軸で探し直せばいい。以前に外したジャンルを一度読み返してみると、印象が変わっていることがある。