異世界・転生ものは、別の世界に移る設定を指す。
一般向けでは巨大なジャンルだが、アダルト作品での使われ方には特徴がある。何のために使われているかが分かると、探し方も決まる。
三つの入り方
| 呼び方 | 何が起きるか | 特徴 |
|---|---|---|
| 転生 | 死んで別人として生まれ直す | 時間の経過が必要 |
| 転移 | そのままの姿で移動する | 一番多い |
| 憑依 | 既にいる誰かの身体に入る | 身体の持ち主という問題が残る |
転移が一番多い。元の記憶と身体をそのまま持っていけるので、読者が主人公に乗りやすい。説明も最小限で済む。
転生は生まれ直すぶん、成長する時間が必要になる。そのぶん長編になりやすい。
憑依は片方向で、元の持ち主がどうなったかという問題が残る。そこを描く作品と、触れない作品がある。
何のための設定か
アダルト作品でこの設定が使われる理由は明快で、現代の制約を外せるからだ。
- 常識や倫理の前提を変えられる — 別の世界なので別の規範が置ける
- 人外やサキュバスを自然に出せる — 存在の説明が要らない
- 立場の差を極端にできる — 王族と平民、勇者と魔王
- 能力による優位を与えられる — 現代では成立しない力を持たせられる
つまり設定は入口であって、主題ではない。移った先で何が描かれるかが、このジャンルの中身になる。
ここを理解していないと、「異世界もの」というタグだけで探して、まったく違う作品を掴むことになる。
四つの型
能力もの
特別な力を得て優位に立つ。数が一番多い。
現代では成立しない優位を、世界の設定として与えられる。女性優位の逆の構図を作りやすいのも特徴だ。
奴隷・従者もの
立場の差が関係の前提になる。買う側と買われる側、主人と従者。
調教や監禁と組み合わされることがあるので、苦手ならタグの併記を確認したい。逆に、そこから対等になっていく話も定番だ。
魔王・勇者もの
対立が関係になる。障害が最初から用意されている構図だ。
スローライフ
対立がなく、生活が中心。読後感が軽い。疲れているときに読むには向く型でもある。
| 型 | 何が中心か | 読後感 |
|---|---|---|
| 能力もの | 優位 | 軽い |
| 奴隷・従者 | 立場の差 | 重いこともある |
| 魔王・勇者 | 対立 | 中くらい |
| スローライフ | 生活 | 軽い |
タグだけでは絞れない
このジャンルの一番の注意点がこれだ。異世界というタグだけでは、中身がほとんど分からない。
必ずもう一つのタグで絞る必要がある。
この二つ目が実質的な選択になる。異世界は舞台であって、内容ではない。
説明の量
作品によって、世界設定の説明量がかなり違う。
説明が厚い作品は、序盤が重い。理屈を読むのが好きな人には向くが、早く関係に入りたい人には遅く感じる。
説明が薄い作品は、すぐ動く。ただし整合性が気になる人には物足りない。
試し読みで序盤を見れば、どちらのタイプかはすぐ分かる。見方は試し読みで見るべき3つのことにまとめた。
よくある質問
元の世界に戻る作品はありますか
少数だがある。多くの作品は移った先での生活が中心で、戻ることは目的にならない。転移ものでは戻る手段を探す話もある。
一般向けの異世界ものと違いますか
構造は同じだ。制約を外すための装置として使われている点も変わらない。違うのは、移った先で何を描くかになる。
転生ものは長編が多いですか
そうなりやすい。生まれ直しから始まるので、時間の経過を描く必要があるためだ。転移ものは短編でも成立する。
奴隷ものが苦手です
調教や無理矢理のタグが併記されていれば、その方向だ。純愛タグで絞ると避けられる。
異世界ものが初めてです
スローライフ型か能力もの型から入るのが軽い。奴隷ものと魔王勇者ものは、設定の重さが先に来る。
ハーレム構成が多いのはなぜですか
異世界では立場の差を極端にできるので、複数の相手を配置しやすい。構図はハーレム・逆ハーレムと同じだ。