百合とGLは、どちらも女性同士の関係を描く作品を指す。ただし完全な同義ではない。
二つの違い
| 呼び方 | 指す範囲 | 性描写 |
|---|---|---|
| 百合 | 関係全般。友情に近いものも含む | ないものも多い |
| GL(ガールズラブ) | 恋愛関係 | はっきりある作品を指すことが多い |
百合のほうが範囲が広い。恋愛と断定しない関係も含むため、一般向けの作品にも使われる。
GLはBLやTLと並ぶ呼び方で、成人向けの棚ではこちらが使われる。
なぜ呼び分けが生まれたのか
百合という言葉のほうが歴史が長く、関係の名前を確定させないまま描く作品を含んできた。恋愛かどうかを言い切らない、そこに惹かれる読者がいる。
一方GLは、BL・TLと同じ並びで作られた売り場の区分だ。棚として成立させる必要があるので、範囲がはっきりしている。
だから両者はどちらが正しいという関係ではなく、用途が違う。作品を語るときは百合、探すときはGL、と使い分けると噛み合いやすい。
BLの用語が通じない
ここが探すときに一番つまずく点だ。
BLには攻め・受けという明確な呼び分けがあり、カップリング表記も「A×B」で定着している。GLにはこれに相当する定着した表記がない。
近い言葉が使われることはあるが、作品によって指すものが揺れる。タグとして頼りにならない。
結果として、関係の力学で絞り込むのが難しくなる。代わりに使われるのが次の三つだ。
| 軸 | 使えるタグ | 何が決まるか |
|---|---|---|
| 年齢差 | 年の差 | どちらが主導するか |
| 立場 | 先輩後輩、社内恋愛 | 関係の入口 |
| 性格 | ツンデレ、ギャル | 会話の調子 |
立場の軸が一番効く。数が多く、タグとして安定しているからだ。
よくある設定
- 学園もの — 定番。ただし正規の配信では登場人物は成人として描かれる
- 社会人もの — 社内恋愛の構図がそのまま使える
- 人外もの — サキュバスなどとの組み合わせ
- 幼なじみ — 関係を言い直すまでの過程が描かれる
四つ目はこのジャンルと相性がいい。すでにある関係に名前を付け直すという話の運び方が、百合の得意な形と重なるからだ。
男性向けと女性向け
同じGLでも、どちらの棚に置かれているかで作風が変わる。
| 女性向けの棚 | 男性向けの棚 | |
|---|---|---|
| 中心 | 関係の機微 | 状況 |
| 前置き | 長め | 短め |
| 結末 | 関係が続く形が多い | 一話完結が多い |
読者層が完全には重ならないので、片方の棚だけを見ていると好みの作品を取りこぼす。検索するときは棚で絞らず、タグで絞ったほうがいい。
どこから読むか
初めてなら、立場の差がはっきりしている短編が入りやすい。先輩後輩や上司部下は、関係の説明が要らないぶん本題まで早い。
長編から入ると、関係が動き出すまでに時間がかかる作品に当たることがある。単話と単行本の使い分けを踏まえて、まず1冊読み切れるものを選ぶといい。
よくある質問
百合とGLはどちらで検索すべきですか
成人向けの作品を探しているならGL、幅広く見たいなら百合。両方で検索すると取りこぼしが減る。
BLのような攻め受けの表記はありますか
定着していない。年齢や立場、性格で絞ることになる。表記があっても作品ごとに意味が揺れるので、紹介文を読んで確認したほうが早い。
男性が読んでもいいジャンルですか
読者層に制限はない。ジャンル名は売り場の区分であって、読者の資格ではない。
百合と書いてあるのに性描写がありました
百合は範囲の広い言葉なので、成人向け作品にも使われる。避けたい場合は棚そのもので判別するしかない。
男性キャラクターは出てきますか
出てくる作品もある。関係に関わる形で登場するかは作品による。完全に登場しないものを探すなら、紹介文の登場人物欄を見るのが確実だ。
GLとレズものは同じですか
売り場では別のタグとして扱われていることが多い。GLのほうが関係を描く作品、もう一方は状況を描く作品に付きやすい。どちらも確認しておくと取りこぼしが減る。