電子書籍を買うときに一番多い不安がこれだと思う。紙と違って手元に残らないのではないか、という心配だ。
結論を先に書くと、買い切りではあるが、永久に読める保証はない。この二つは矛盾しない。
「買い切り」の意味
月額を払い続けなくても読める、という意味では買い切りだ。一度買えば追加の料金はかからない。
ただし、買っているのはその作品を読む権利であって、ファイルそのものの所有権ではない。ここが紙の本と決定的に違う。
紙の本は物として手元にあるので、出版社がなくなっても読める。電子は配信の仕組みの上に成り立っているので、そこが変われば影響を受ける。
読めなくなる可能性
現実的に起こりうるのは次の二つだ。
配信停止。権利の都合で、作品がストアから消えることがある。多くの場合、すでに購入した人は引き続き読めるが、扱いはストアの規約による。
サービス終了。ストア自体がなくなった場合、購入済みの作品も読めなくなる可能性がある。過去に他社で実例がある。
どちらも珍しいが、ゼロではない。ここを曖昧にしても仕方がないので、はっきり書いておく。
それでも電子を選ぶ理由
リスクがゼロにならないのは事実だが、実際の判断は比較で決まる。
| 電子 | 紙 | |
|---|---|---|
| 読めなくなる可能性 | ある | ほぼない |
| 買いに行く手間 | ない | ある |
| 保管場所 | 不要 | 必要 |
| 人に見られる可能性 | 低い | 高い |
成人向け作品の場合、下の3行が効く。書店に行く必要があり、家に置く場所も要り、見つかる可能性もある。
読めなくなるかもしれないリスクと、この3つ。どちらを取るかという話で、多くの人は前者を受け入れている。
大手が短期でサービスを畳む可能性が高くないことも、この判断を支えている。
できる対策
アプリでダウンロードしておく。端末に落としておけば、通信できない状態でも読める。ただしアプリの認証が必要な場合もあるので、完全な保険にはならない。
買う店を分散させない。複数のストアに分けると、どこで何を買ったか分からなくなる。一つにまとめておくほうが、いざというときに把握しやすい。
読み放題と購入を使い分ける。読み放題で読んでいる作品は、解約すれば読めなくなる。手元に残したい作品は購入しておくのが確実だ。この使い分けは読み放題と単品購入、どちらが安いかにまとめた。
よくある質問
機種変更したら読めなくなりますか
購入した作品はアカウントに紐づいているので、同じアカウントでログインすれば新しい端末でも読める。端末に落としたファイルは移行されないので、改めてダウンロードすることになる。
配信停止になった作品はどうなりますか
すでに購入していれば引き続き読めることが多い。ただし新規の購入はできなくなる。読みたい作品が決まっているなら、先延ばしにしない理由のひとつになる。
紙で買ったほうが安全ですか
物として残る点では安全だ。ただし成人向け作品の場合、購入と保管の手間が別の問題になる。どちらのリスクを避けたいかで選ぶことになる。